5月12日 相場情報

《被覆線スクラップ輸出の終焉》

【5月12日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=157円23銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:62,417.88(-295.77)

※銅LMEセツルメント($/t)  
     ①午前売:13673.0(+228)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス) 
     ③銅:6.4135(+0.1645)
     ④金:4718.7(-1.7)

※WTI 原油先物($/bbl)  
     ⑤98.07(+2.65)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg) 
 ①ロンドン午前:2200円
 ②ロンドン午後:ー  
 ③N.Y.:2280円

※ニューヨーク為替引値(円)
157.16-157.19(0.51円安-0.5円安)

【5月11日:昨日の状況】
※国内銅建値2210円(5月11日より+30円)

《被覆線スクラップ輸出の終焉》

今月初め5月7日のコラム:中、

財務省の輸出通関統計を見て、
「絶縁体あり銅線(枝番920)は、3月、合計で396トンしか輸出されていない。もはや、
絶縁体のある銅線(被覆線)は、日本から輸出されていない=全て日本国内で加工され
ていると理解していいでしょう。」と、書きました。

そして、「雑線輸出」の歴史は終わった。と書きました。

※実は、この“雑線=被覆線スクラップ輸出の終焉には、個人的に感慨深いものがあり
ます。なぜなら弊社は、というか小生の金属スクラップ人生が、この被覆線スクラップ
輸出に端を発しているからです。

※小生は1995年に社会人として働き始めました。入社した会社は結構大きい会社で多く
の業種を扱っていましたが、たまたま非鉄金属本部に配属され、たまたま銅系金属部に
入り、たまたま中国向けの被覆線スクラップ輸出を行っていて上司の下に付いたことが、
そもそもこの仕事に携わったきっかけです。
※それ以来、この(どうしようもない・笑)業界・業種に足を踏み入れたまま、未だ抜
け出せないでいます。はや30年が過ぎてしまった。(実は、金属スクラップ業界には、
この業界から抜け出したくても抜け出せない人が多い)。

※ちなみに1995年当時は、まだ日本から中国大陸に雑線をコンテナで輸出している商社
もブローカーも本当に僅かで、10社もなかったと記憶しています。(その理由はまた別
のコラムで書きます。)
※その後、中国向け被覆線スクラップ輸出を行う会社、ブローカーは、あれよあれよと
いう間に数が増えました。またコンテナ輸出を更に大掛かりにしたバルク船による中国
向け雑品輸出を行う会社も劇的に増えました。

※さてここからが今日のテーマ、なぜ日本から海外への雑線輸出が、事実上終ったか?
を、順を追って見ていきます。

※流れが変わったのは、2018年に中国が雑品・雑線の輸入を禁止した時からで、日本に
はその後、被覆線スクラップをナゲット加工し、雑ナゲットを作る会社(主に中華系)
が増え、こうした業者が増えるのと反比例して、被覆線スクラップをそのまま海外に
輸出する仕事は減っていくことになります。【phase ONE】

※次に被覆線スクラップの海外輸出が減るきっかけとなったのは、2021年の「日本の
税関による、被覆線スクラップの分析厳格化」です。これは“雑線“という“一つの
品名の品物“の中にある“、全ての被覆線一本一本の分析を、輸出者は輸出通関時に
添付せよ!”という方針です。
(←これに関しては、物申したいことありますが省略:物申しても何も得しないので)
【phase TWO】

※最後に一つ、被覆線スクラップの海外輸出にトドメを刺したのは、輸入国、マレー
シアの通関厳格化でしょう。中国が被覆線スクラップの輸入を決めた2018年以降、その
輸出先代替地としてトップランナーを走っていたマレーシアが、ここ1、2年、その輸入
通関を厳しくしており、在、日本→マレーシアへの被覆線輸出は風前の灯です。
【phase THREE】

※ということで、日本から海外への被覆線スクラップ輸出がなぜ“事実上”終わったか?
をまとめると、以下の通りになります。
【phase ①】中国が輸入を禁止、日本に雑ナゲット業社が増えた。
【phase ②】日本国が輸出時の分析を厳格化した。
【phase ③】マレーシア国が輸入時の通関を厳格化した。

(補足)
※このように書くと、「日本から海外への被覆線スクラップの輸出は絶対に出来ないの
か!?」とか、言う人がいます。輸出をやろうと思えば可能です。が、ハードルが多過ぎ
て面倒であり、世の趨勢ではないという意味ですのでご了承・ご納得ください。
いずれにしても、かつて毎月2万トンとも3万トンとも言われた被覆線輸出が、現在月に
400トン程度なのですから「実質、その歴史が終わった」といって異を唱える人はいない
でしょう。

【Photo ひとこと :弊社ヤードの被覆線スクラップ】

以上