《どこまで仕上げるか》
【7月11日:今朝の状況】
※為替(ドル/円)ドル=146円15銭【08:30現在】
※N.Y.ダウ:44, 650.64(+192.34)
※銅LMEセツルメント($/t)
①午前売:9752.0(+117)
②午後売:ー
※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
③銅:5.548(+0.1045)
④金:3317.4(+5.8)
※WTI 原油先物($/bbl)
⑤66.57(-1.81)
※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
①ロンドン午前:1480円
②ロンドン午後:ー
③N.Y.:1840円
※ニューヨーク為替引値(円)
146.25-146.27(0.06円高-0.05円高)
【7月10日:昨日の状況】
※国内銅建値1470円(7月10日より-20円)
《どこまで仕上げるか》
※所謂、「ゾルバ★注(シュレッダー破砕された金属スクラップのうちアルミリッチなもの)」は、
日本国内だけでなく、中国のアルミ合金メーカーの原料となるべく、日本から中国に輸出されてい
ます。
※このゾルバですが成分は物により様々、最終的に需要家であるアルミ合金メーカーが直接溶解
出来るレベルにすることが、破砕・選別する企業にとってはミッション=肝です。
※ 渦電流分離、空気分離、浮選、ふるい分け、その他、重液選別、X線など選別方法は様々ですが、
とにかく異物を取り除けば、合格品Aとなり、仮に主成分アルミ分が高くても異物が多ければ失格
品Bとなります。
※選別業者が手掛ける選別作業が1段階上がる度に不純物が減る様子を、仮に数値化します。
1段階 不純物50%→20%
2段階 不純物20%→10%
3段階 不純物10%→5%
4段階 不純物5%→3%
5段階 不純物3%→1%
※このように選別作業を進めた場合、当然、各段階毎に同じように、選別コストがかかります。
敢えてわかりやすく各段階のコストを10円とした場合、
1段階 10円/kg→totalコスト10円/kg
2段階 10円/kg→totalコスト20円/kg
3段階 10円/kg→totalコスト30円/kg
4段階 10円/kg→totalコスト40円/kg
5段階 10円/kg→totalコスト50円/kg
※問題はここからで、コスト1段階10円をかける毎に、ゾルバから出来上がった「アルミ原料」を、
需要家メーカーが10円以上高く買ってくれれば、選別のやり甲斐もあるのですが、実際にはそう
でもないようです。
※つまり選別の費用対効果=コスパが同じではない。
例
1段階目ではコスト10円に対し50円のリターンがありますが、5段階目ではリターンが10円しかない。
(コスト10円でリターン10円なら、やってもやらなくても同じ)
1段階 10円/kg→totalコスト10円/kg リターン50円
2段階 10円/kg→totalコスト20円/kg リターン40円
3段階 10円/kg→totalコスト30円/kg リターン30円
4段階 10円/kg→totalコスト40円/kg リターン20円
5段階 10円/kg→totalコスト50円/kg リターン10円
※コストアップとなった分、選別業者の売値が上がらない(リターンがない)ならば、第5段階
までの選別を行わず、第4段階、もしくは第3段階の状態(不純物が多い状態)で、海外に輸出転売
した方が、商業的にはメリットがあるかもしれないのです。
(★注)ゾルバ ISRI規格
アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、ステンレス鋼、ニッケル、スズ、亜鉛の単体または合金
(固体)の非鉄金属の組み合わせで構成されるものとします。非鉄精鉱における各金属の割合は、
買主と売主の間の合意に従うものとします。(英文直訳)
【お知らせ】
7/15(火)〜7/21(月)コラムお休みします。再開は7/22(火)を予定しています。
以上