7月10日 相場情報

《ピカ線と雑線》

【7月10日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=146円17銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:44,458.3(+217.54)

※銅LMEセツルメント($/t)
 ①午前売:9635.0(-290)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:5.4435(-0.2015)
 ④金:3311.6(+4.6)

※WTI 原油先物($/bbl)
 ⑤68.38(+0.05)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1460円
 ②ロンドン午後:ー
 ③N.Y.:1810円

※ニューヨーク為替引値(円)
146.31-146.32(0.24円高-0.27円高)

【7月9日:昨日の状況】
※国内銅建値1490円(7月7日より-10円)

《ピカ線と雑線》

※昨日、ピカ線(特号銅線)なんて、ほぼ電気銅と価値が変わらないのだから銅需要家
(銅製品製造メーカー)の買値は、全世界同じである。故になるべく運賃をかけず近く
の需要家に売ることが得策であると書きました。

※この話は、品物がピカ線【A】であることが大前提ですので、お間違いないように!
※ピカ線はもともと歩留まりの高いCVやIVケーブルを剥線加工処理したあとの、限り
なく銅分100%に近い銅スクラップです。
※銅スクラップではありますが、既に加工処理済みで、異物がほぼない状態の物なので、
これ以上加工する必要もなければ、荷姿が整ってさえいれば、需要家がそのまま炉に
投入できる状態のものです。

【Aピカ線】流通経路
 ⓵問屋→横持→日本の需要家 ・・・運賃コスト安
 ⓶問屋→横持(輸出)→マレーシア需要家・・・運賃コスト高

※品物が雑線【B】である場合は話が変わります。 問屋はそのまま需要家に売ること
は出来ず、一度、どこかでナゲット加工処理する必要があります。

【B雑線】流通経路
 ⓵問屋→横持→ナゲット加工処理(X)→横持→日本の需要家
 ⓶問屋→横持(輸出)→ナゲット加工処理(Y)→横持→マレーシア需要家

※ナゲット加工をどこでどのようにするか?で問屋→需要家間のtotalコストが変わり
ます。
※例えば、日本で全てを行った場合、横持費用10円/kg+ナゲット加工費用50円/kg (X) 
のコストがかかり、問屋→需要家間はtotal60円/kgがかかるとします。
※一方、ナゲット処理加工をマレーシアで行った場合、輸出を含めた横持費用20円/kg
と高くなりますが、ナゲット処理加工 (Y) が30円/kgで出来るので、totalコストを
50円/kgに抑えることが出来ます。
※その場合、問屋は雑線を日本でナゲット処理加工せず、そのままマレーシアに輸出
した方が得をすることになります。

※なぜそのようなことが可能か? 
※ナゲット処理加工には⓵人件費・⓶電気代、のほか⓷ごみ処理費用がかかり、それ
らは全て日本よりマレーシアの方が安いからです。更に⓸被覆材のリサイクル率も
マレーシアの方が高いので、よりコストダウンできます。

※まとめ:
加工不要なピカ線は運賃をかけず近場の需要家に納めることがベストですが、加工が
必要な雑線は加工賃を含めたtotalコストを計算した上で、ベストの納め先を見つける
べきなのです。

以上

【お知らせ】7/15(火)~7/21(月)コラムお休みします。再開は7/22(火)を予定しています。