12月2日 相場情報

《西方見聞録②〜違法ヤード・違法輸出〜》

【12月2日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=155円49銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:47,289.33(-427.09)

※銅LMEセツルメント($/t) 
 ①午前売:11299.0(+295)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:5.219(+0.0335)
 ④金:4239.3(+21)

※WTI 原油先物($/bbl) 
 ⑤59.32(+0.77)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1810円 
 ②ロンドン午後:ー 
 ③N.Y.:1840円

※ニューヨーク為替引値(円)
155.47-155.48(0.68円高-0.72円高)

【12月1日:昨日の状況】
※国内銅建値1800円(12月1日より+60円)

《西方見聞録②〜違法ヤード・違法輸出〜》

※現在、イギリスから基盤の付いている金属スクラップを海外に輸出する場合
には、いわゆるバーゼル申請(二国間承認)が必要です。イギリスはEUを脱退
した為、イギリス→EU域内輸出であっても必要。
※バーゼル条約に抵触するものを輸出する際に、申請が必要なのはヨーロッパ
各国皆同じですが、その運用方法はヨーロッパ各国で微妙に差があり、例えば
“スペインはルールは同じも運用が甘い“そうです。
そのため日本と同様に中華系業者は、法の目をかいくぐる為に敢えてスペイン
で金属スクラップを回収して、海外への輸出を行っているそう。勿論、そう
聞いても認めないでしょうが・・・(『EUのスペインは、関東の千葉県?』と、
小生勝手に理解しています)

※ちなみにイギリスでは、環境省が違法業者を取り締まる仕事を担当している。
面白いのは、環境省はめちゃ厳しい取り締まりをする為、そのための職員
(違法ヤードGメン)40名の募集時、募集条件に喧嘩上等「job description :
conflict 」と記載している。(conflictとは日本語で衝突・対立の意味 )
つまり違法業者とは徹底的に戦い・取り締まる、その結果、そもそもイギリス
では違法業者はが存在できないそうです。素晴らしい!!

※ヨーロッパ(特にゲルマン系?)の考え方のようで、
「ルールを作る!」
「それを守る!」
「守らないと罰を与える!」
 という考え方が根付いている。
※イギリスこそ島国ですが、イギリスも含めヨーロッパ諸国は違う民族・違う
言語の人達が陸続きの地域で混在して生活してきた(戦争してきた)ので、
ルールに対する厳しさが違うのだと思います。

※かたや日本。 どうしても、
「ルールなんて作らなくても、お互い迷惑かけないのが当然」
「言わなくてもわかるよね」
「お互い以心伝心でわかる」という意識が強い。
 つまりルールを作るのも、守るのも、破った人を罰するのも“下手”。
※欧州の取引先に日本の現状(特に千葉県ヤード条例)を話すと、「(違法業
者が蔓延れるのは)フェアーではない」と言っていました。

(補足)欧州において『金属が自国から流出するのは問題』と考えるのには、
根底に資源ナショナリズムもあります。 アルミスクラップなど軽圧(サッシ)
の需要は、イギリスにはあれど、合金は国内で使用しきれていない。
ADC12相当品(欧州規格EN :AC-46500)を作るまではするが、それを、自動
車製造をしている東ヨーロッパに輸出しているのが現状です。自動車製造は
人件費の安い東欧で行われている。同様に銅。銅の精錬所はイギリス国内に
ありません。山行き銅は、鼻から輸出する必要がありますが、バーゼル条約
規定をクリアする為、ゴミを除去し精錬所のあるEU域内に輸出する必要が
あります。


【参照:欧州の主な銅精錬所】
 ①Aurubis (オールビス)
  ブルガリア・ドイツ・ドイツ・ベルギー・ベルギー・スペイン
 ②Boliden
  スウェーデン・フィンランド
 ③Metallo-Chimique
  ベルギー
 ④Phoenix Copper Smerlter
  ルーマニア

(つづく)

以上