11月6日 相場情報

《続・チュウゴクガー!リュウシュツガー!》

【11月6日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=154円02銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:47,311.00(+225.76)

※銅LMEセツルメント($/t) 
 ①午前売:10603.0(+2.5)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:4.963(+0.037)
 ④金:3980.3(+32.6)

※WTI 原油先物($/bbl) 
 ⑤59.6(-0.96)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1690円 
 ②ロンドン午後:ー 
 ③N.Y.:1740円

※ニューヨーク為替引値(円)
154.11-154.13(0.44円安-0.45円安)

【11月5日:昨日の状況】
※国内銅建値1720円(11月4日より-10円)

《続・チュウゴクガー!リュウシュツガー!》

※9月、中国向け銅線(=ピカ線)輸出量が828トンに増えたことで、
潜在的なチュウゴクガー・リュウシュツガー(昨日コラム参照)が
「①中国に物を取られる」「②日本から資源が流出している」と騒ぎ
出すと思います。

※今日はその「②日本から資源が流出している」問題について。

※昨今、経済産業省からのヒアリングでも、非鉄金属業界団体や
大手メーカーの中でも、議題の中心になるのが「資源流出」です。
米中の対立や、ロシア・ウクライナ戦争の長期化から、過去構築
されてきた世界の自由貿易体制が崩壊するという懸念が、世界的に
高まっているせいでしょうか。

※「中国に物を取られる」という狭義の意味でなく、日本から、
必要で大事な資源が、出ていってしまっているという潜在的な恐怖
心が、社会全体に蔓延している気がします。(無駄にその恐怖心を
感じる方々を、リュウシュツガー;小生の造語、と呼ぶことにしま
した。前日コラム:アベガーを参照)
※リュウシュツガーは正に資源ナショナリスト、日本にある全ての
金属資源が、1トンも日本から出ていかなければ、それがベストと
でもお考えのようです。

※百歩譲って通関統計の銅線(ピカ線)について日本からの流出を
懸念するのはわかります。なぜなら日本国内にある需要家(電線・
伸銅・銅箔メーカー)が必要なピカ線を欲しくとも不足することが
あるからです。
※では、通関統計の黄銅はどうでしょうか?9月は7,881トンが中国
に輸出されました。年を通じても平均的に月間6,000〜7,000トン、
7月は9,000トンを超える量が中国に輸出されています。
※この黄銅(恐らく大部分は込真鍮)、中国に流出していなければ
日本の伸銅メーカーが使うこと(溶解すること)は出来ません。 
なぜなら込真鍮を使用する黄銅棒メーカーは、主原料のダライ粉
だけで、十分必要な製品を作れるからです。つまり原料が足りて
いる。

※もしリュウツウガーな方々が、政治的に日本からの黄銅
スクラップ輸出を禁止し、日本国内で発生した黄銅スクラップを
日本国内で溶解しなさい!としたら、国内製錬(山)に、無理矢理
処理してもらうしか方法はありません。
※その場合、
①製錬所(山)は銅スクラップより銅品位の低い黄銅スクラップを
 買わされる。
②問屋・商社の込真鍮売値が下がる(今の相場で恐らく200〜300円
 /kg)。
③黄銅棒メーカーは、無理矢理、込真鍮を原料として使用する為、
 選別・解体コストが上がる。
と、誰も得をしません。

※資源ナショナリズムは、ある程度理解出来ますが、「資源ナショ
ナリズム=資源鎖国」ではないと考えます。
※リュウシュツガーの方々へ。少なくとも黄銅スクラップについて
は「流出している」のではなく「中国に買って頂いている」のです。

(おわり)

以上